第3章 緑な三男の場合 「花火」
手に握る携帯が震えると
愛しい彼からの着信。
震える指で通話ボタンを押す。
『…わかってくれた?俺の気持ち』
「…わ、わかんないっ…、」
『…ふふ、泣き虫』
「ま、雅紀くん…私…、」
言いたいことが沢山ありすぎて、
言葉が詰まる。
『……うん、…早く帰っておいで?
ギュってしてあげるから』
電話を切るのも忘れて走って走って走って、
家の扉を勢いよく開けると
玄関にはいつものように笑う彼が。
「ほら、こんなに汗だくになってる」
と私の涙を拭いて
ギュッと優しく抱き締めた。
FIN.