第1章 屋上で寝てた目つきの悪い人
「はーっ!昨日のNonameのコンサート超良かったぁ!」
ここにも一人、Noname信者が存在する。
「はあ、またNonameかよ。お前の頭はNonameでできてんのか。乃々花。」
「うっさいなー、エレン、Nonameをバカにしないでくれる?」
「高校1年生にもなってアイドルの追っかけとか恥ずかしいからやめて欲しいだけだけど。俺は」
「追っかけじゃないし!ってゆうかNonameはアイドルじゃないし!ちゃんとしたボーカルがいるバンドだよ!?」
「俺には全部一緒に見えるけどなー」
「まあまあ、エレン。その辺にしといてあげなよ。人の好みをそんな風に言っちゃったらダメだよ」
「…なんだよアルミン。お前はそいつの味方なのかよ」
「べっ、別に味方ってわけでもないけど…。」
喧嘩の仲裁で入ったアルミンが逆に巻き込まれて行く様子をミカサは教室の隅で遠巻きに見ていた。
これ以上はバカバカしいと思いエレンは盛大にため息を吐くと自分の席から音を立てて立った。
「お、おい、エレン、どこに行くの?」
手をポケットに入れてふてくされながら教室を出ようとしていたエレンにアルミンは恐る恐る声をかけるとエレンは一瞬振り向き、「便所」と、投げやりにつぶやいた。
そんなエレンを後ろから見ていた乃々花はだんだんと腹が立って来て背後からエレンに「一生うんこでもしてろっ!」と叫んでしまい、教室中から非難の目を浴びた。