第1章 屋上で寝てた目つきの悪い人
薄暗く、熱気を帯びた会場にうっすらと光るステージ。
そこに人が立てばその場は一気に静まり返る。
その人物がマイクを持った瞬間、照らされる舞台。
その一点に光が集中して、マイクを持った本人が息を軽く吸った後、放たれた言葉に会場は一気にまくし立てられる。
「跪け、豚野郎。」
「きゃああああああああああああ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
Noname。
近頃女子高生を中心に驚異的な人気を誇るバンドグループ。
その人気は計り知れず今は日本だけにとどまらず海外てもすでにライブやコンサートが決定している。
今や音楽業界で知らない者はいない、しかし、そのメンバーの顔は誰も知らない、不思議な仮面バンドグループなのである。
彼らは顔に包帯を巻き、素性を知らせてはくれない。