第2章 気になっちゃうんだもん
勢いのまま押された方向に向かって駆け寄ってしまった乃々花は必然的にエレンの席の目の前に躍り出てしまった。
突然目の前に乃々花が現れたことにびくりと肩を揺らして驚く動作をしたエレンは数秒してからゆっくりと上を向いて乃々花と目を合わせる。
そして、一言。
「………なんだよ」
そう言われた乃々花は頭の隅に逃げる、という3文字が浮かび上がったが、背後から伝わるアルミンの威圧に負け、その手段は為すべく取り消しになる。
すると痺れを効かしたようにエレンが目を閉じ、はぁー、と盛大にため息を零すと、次は乃々花の肩がびくりと揺れた。