第2章 朝食編〜玉森サイド
いつもと同じポジションに座ると、自然とマイコは俺の前になる。
何となく顔を上げられず、目の前の朝食にばかり顔をむける。
いつもと同じハズなのに、今日は廻りに誰もいない。
いつも、俺の好きな人たちに囲まれている彼女。だからすんなり俺の視界にとけ込む事が出来たんだと思っていた。
でもそれも変わったんだな。
彼女がいる空間が、それだけで俺の幸せになる。
みんなの事はもちろん大好きだけど、二人っきりで朝ご飯なんてのも悪くない。
「ね、玉ちゃん」
マイコの呼びかけに気の無いそぶりで声だけの返事を返す。
すると、彼女は普段は越えない、見えない境界線を乗り越え来て、こうささやいた。
「ね、こんなふうに二人っきりで朝ご飯っていうのも悪く無いね」
やべ、それ反則。思わず顔を上げてマイコの顔を直視してしまった。
覗き込む様な顔を捉えた刹那、俺はまた目を細める。
きっと俺のまぶたはシャッターと一緒だ。
心に残したいキミを捉えようと、シャッターをきる。
ぼやけてる間は、きっとキミにこの想いは届けることは出来ない。
いつかピントが合わせられるようになるまで、何度でも俺はキミに笑いかけるよ。
「俺もいま、おんなじ事考えてた」