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第一話 シェアハウスの恋人

第5章 お届けもの〜北山サイド


一番古い記憶ってなんだっけ?
定かではないけど、俺たちを育ててくれた懐かしいあの人が、昔住んでいた家で洗濯を干している姿が思い当たった。
外国人だったのか、ハーフだったのか。
柔らかな春の日差しを、すっと筋の通った鼻先に浴びながら、その人は真っ白なシーツを両手一杯に広げて微笑んでいた。
緑を含んだそよ風の匂いが、胸一杯に充満していた。

「こんにちわー、ハウスキーパーの求人をみて来たんですけど。。。」
懐かしい回想から呼び戻す声の主を確かめると、今まさに自分の脳内で懐古した人物がそこにいた。
自分の手には、真っ白いシーツがあった。
もう一度、確かめるようにゆっくりと下を見下ろすと、少し顔を蒸気させた彼女がこちらを見上げていた。




ピコン!
朝から続けて2人のトレーニングを終え、汗をかいたウエアを取り替える為に更衣室へ戻ると、ロッカーを開けたところで携帯が鳴った。
見ると、うちのハウスキーパーの酷い寝起きの写真がLINEで送られて来ている。

「ぷっwww」
即座に簡単に返事を返すと、他のグループメンバーからも反応があった。
…ってことはあいつ等、いま家に二人っきりか。。。
そう思いながらふとロッカーの鏡をみると、眉間に寄ったシワと目が合った。
なんで俺イラついてんだ、ばっかじゃねぇ?
スポーツバッグ毎取り出し、勢いよくロッカーを閉めた。

「おいこらー。静かにせんかぁー。」
あんまり怒ってない感じ満載の間延びした声が背後から聞こえた。
こちらも悪びれず振り返る。
「さーせん、香取チーフ。で、次までちょっと時間あるんで、シャワー入っていっすか?」
「おー、どうせお前次も女のお客さんだろ?汗臭いと客が逃げるからな。行ってこい、行ってこい」
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