第7章 誕生日 11/2ver.《灰崎祥吾》
_______After that
「今回のはどう?!」
「まァ、前のよりかはマシじゃねーの?」
あれから、俺が真由美の家へ泊まりに行く度、コイツは飯を作るようになった。
今日は例のあの唐揚げだ。
「ほんっと、アンタってムカつく!!」
「お前が聞いてきたから答えてやったんだろーが」
「一回ぐらい美味しいって言ってくれても良いんじゃない?!」
「俺はお世辞言うタイプじゃねーの」
「っ……!!」
「それに、早く真由美チャンに俺の胃袋掴んでもらわねーと」
「…何?」
「べっつにィ〜?」
射殺す勢いで俺を睨むコイツをケラケラと笑ってやると、真由美は俺の胸元の服をキュッと両手で掴んで自分の方へ引き寄せる。
そして、
「浮気したらぶっ殺すから!」
と少し不安混じりの怒った顔で言ってきた。
「おー、怖」
んな心配そーなツラする必要ねェってのに。
暫くはお前以外目に入んねェよ。
それを本人に言うつもりはねェが、代わりに俺にしては優しいキスをしてやった。
_______END