第5章 誕生日 10/30ver.《氷室辰也》
氷室side
「「ハッピーバースデートゥーユー♪ ハッピーバースデーディア辰也〜♪ ハッピーバースデートゥーユー♪」」
「ははっ、皆ありがとう」
今日は俺の誕生日で、バスケサークルの皆が居酒屋の個室で俺を祝ってくれている。
定番のバースデーソングを歌ってくれて、今から皆が店員さんに頼んで用意してくれていたらしいケーキのロウソクを吹き消すところ。
フゥーッと一息で吹き消すと、また「誕生日おめでとう、辰也!」と祝いの言葉を贈ってくれた。
「これで辰也も大人の仲間入りだな!」
「馬鹿ねー。氷室君はアンタなんかより断然大人よ!」
サークルのメンバーはバスケ好きの男女が集まっていて、今日はその中でも特に仲の良い同学年のメンバー(男女)が祝ってくれていた。
「やっと堂々と酒が飲めるよ」
「どうせ辰也のことだから20歳になる前から飲んでたんだろー?」
「…お前は俺をどういう奴だと思ってるんだ?」
「いけすかねぇキザ野郎!!」
「酷いな……」
今日の主役は俺のハズなのに、チームメイト達(男)は既に大量の酒を飲んで酔っているようだ。
顔を真っ赤にして、「辰也の顔は反則だ」とか「お前のせいでギャラリーは俺達のこと見向きもしねぇ」だとか俺への文句を延々と言っている。