第4章 誕生日 10/23ver.《伊月俊》
伊月side
10月23日。
この日は俺の誕生日。
まあ、誕生日だからといって学校や部活が休みになる訳でもなく、いつも通りだったんだけど。
……いや、いつも通りではないな。
チームメイト達から「おめでとう!」と言ってもらえたり、部活帰りのマジバで日向がハンバーガーを奢ってくれたり。
ささやかだけど、そんなの関係無くお祝いされるって本当に嬉しいことだなと思った。
それからありがたいことに、チームメイト以外にも俺を祝ってくれた子がいて…。
その子の名前は相原真由美。
俺の大事な彼女だ。
真由美とは高1のときから付き合っていて、バスケ優先の俺でも何も文句を言わず、いつも俺を支えてくれている。
そんな優しい俺の彼女は12時ピッタリに電話を掛けてきて、1番最初に「誕生日おめでとう!」と言ってくれた。
絶対12時ピッタリに言うって決めていたらしく、10分前から携帯を持ってスタンバっていた、ということを聞きされたときは本当に可愛いなと思った。
「ははっ、わざわざありがとな」
『絶対1番に言いたかったから』
「あぁ、真由美が1番初めにおめでとうって言ってくれた」
『フフッ、良かった♪ ……あ、あのね、俊君。今度、私の家に来てくれないかな…?また改めてお祝いしたいんだけど…』