第9章 誕生日 11/11ver.《宮地清志》
「何…」
「誰のせいだと思ってんだ、っつってんの」
「は、はぁ?!何、私のせいとでも言いたい訳?」
「おー、大正解」
棒読みで、パチパチと軽く拍手する清志。
すごくムカつく顔してるんですけど。
「何でアンタがフられんのに私が関係あんのよ!!」
「関係大アリだから。何ならお前が原因だから」
「はぁ?!」
清志の言い草に、思わずガタンと音を鳴らして椅子から立ち上がってしまった。
向かいの席に座ってる清志は私を少し見上げて、ジト目で睨んでくる。
「アイツに「誕生日、私と過ごすの?それとも相原さんと過ごすの?」って聞かれたから、即答で真由美って答えた」
「なっ…!?アンタ馬鹿じゃないの!!」
清志の側へ行き頭にチョップをくらわすと「痛ぇっ!」と呻き声を上げた。
「ソコは普通彼女を選ぶでしょーが!!」
「いてっ!」
もう一発チョップをくらわし、腕を自分の方へ戻そうとすると、清志にパシッと手首を掴まれた。
「俺にとっちゃ普通じゃねーよ」
じっと私を見上げる清志。
何でだろう、目が、逸らせない。