第8章 鏡
颯太「お前が藤堂平助だよな。正直びっくりだ。ここまで似てるとはな。まるで鏡に写った自分を見ているようだ。」
颯太はただ冷酷な表情で言う。
私が知らない颯太はただ恐怖対象そのもの。
そして、この場にいる誰にも敵う者はいない。
颯太「でも俺は戦で女に助けられる程弱くねぇ。」
平助「俺だって仲間に刀を向けるほど狂っちゃねぇよ。」
私が戦えればいいが…
例え恐怖対象だとしても颯太に刃を向けることなど出来ない。出来るはずがない。
千月「山崎さん、二条城へ戻ってあちらの被害の確認とこちらの現状報告を。頼む。」
山崎「了解した。」
山崎さんに伝令を頼むと同時にこちらでも戦闘が始まろうとしていた。
颯太「どうせお前らじゃ人間相手に守るのが限界だ。千月は鬼にしか守れない。黙って渡せばいいんだよ!」
颯太は敵意を剥き出しにして。
平助「新選組に居る以上、守るのも守られるのも義務なんでね。ここに留まるって決めたのは千月本人だ。部外者は意見するなっての!」
平助は相手の出方を伺うように慎重で。
ダメだ。
どうして傷つけ合わなければいけないんだ。
どちらも大切な人なのに。
血なんて見慣れてるはずなのに、ここで血が流れる2人の姿は見たくない。
千月「止めて2人共!」
平助・颯太「お前は黙ってろ!!」