第8章 鏡
平助「千月⁉︎ それに山崎君も。一体何があったんだよ?」
屯所へ帰るとすぐに平助が迎えてくれた。
千月「お…に…うっ…けほ…けほっけほ…ゲホゲホ…は、はぁ…はぁ…」
私は発作を振り返してそのまま地面に吸いつけられる様に倒れそうになる。
平助「お、おい!大丈夫か?山崎君、何があったんだよ⁉︎」
咄嗟に平助に支えられて私は倒れることはなく、ただその場に座り込んだ。
山崎「二条城護衛中、池田屋で対峙したと思われる人物らが桜時君を狙い襲撃してきました。そしてそこには
颯太「やっと追い付いた。ったく逃げ足だけは速いんだな。」
千月「そう…た…」
信じたくはない。
が、それでも確かに先ほど刃を向けてきた冷酷な颯太が目の前にいた。
颯太「安心しろ。殺しはしてない。」
一人と戦ってきたにしては余裕があり過ぎる。
それは力の差がもはやその場に居ずとも想像のつくものだった。
颯太「千月、早くこっちへ来てくれ。出来れば無駄な殺し合いはしたくない。ま、こいつは例外だけどな。」