第2章 浅葱色
最初に座り込んでいた大通りに出る。
そこで出くわしたのは、男達と同じ浅葱色の羽織を着た2人の男だった。
今まで戸惑っていたせいか、考えていなかったがこの浅葱色の羽織、見覚えがある。
幕末に活躍を見せた浪士集団、新選組。
その羽織に間違いない。
??「一くんこの子どうする?隊士も追わなきゃ行けないだろうけど、この状況で逃がすわけにはいかないよね。」
斎藤「俺は隊務を真っ当するだけだ。其奴の相手は任せる。見たところ、只者ではなさそうだ。」
??「ふぅん。別にいいけど。」
一と呼ばれた男は先ほど銀髪の男達に襲われた方へ向かっていく。
千月「行かない方がいい。銀髪の男達に理性は感じられなかった。同胞だとしても襲われるだろう。」
その言葉を聞こうともせず一と呼ばれた男は路地裏へと消えていった。
??「忠告ありがと。でも、君は敵の心配よりも自分の心配をするべきなんじゃないかな?」
もう1人の男は私に向けて刀を抜き、敵意を剥き出しにしている。
千月「私が貴方方の敵?なぜ私が敵とみなされるのだ。理由をお教え願いたい。」
斎藤「うちの隊士を見てしまったからな。それにこいつらを始末したのはお前だろう。袴についた血が何よりの証拠だ。」
銀髪の様子を見てきた隊士が戻り、私に言い放った。
そろそろ傷が癒えて動けるようになっていると思っていたのだが。
しかし、奇声も刀が交わる音も聞こえなかった。
千月「銀髪の男達はまだ動けるようにならないのか?」
斎藤「何を言っている。始末したのはお前であろう。心臓を貫かれて死んでいる。」
死んでいる…のか。
確かにそう強くはなかったが。
では、私達を殺したあの銀髪の男は一体…
??「君、そろそろ自分の身を守る行動をするべきなんじゃないかな?僕はいつでも君を斬る準備出来てるんだけど。」
??「総司、刀をしまえ。そこのお前、逃げんじゃねぇぞ。背中を向ければ容赦無く斬り捨てる。」
沖田「あーあ、土方さん来ちゃったんですか。折角斬れると思ったのに。」
土方と呼ばれた男は私の首元に剣先を向けそう言い放った。
その目には何も写していないかのように透き通り、同時に冷酷さを感じた。