第6章 変若水
原田「お、今日は雪かー。結構積もってんな。そういや、お前が来たのも冬だったな。もう一年も経つのか。早ぇな。」
屯所に積もった雪景色を眺めながら私と原田さんはたわいもない会話をしていた。
千月「そういえばそうですね。でも、その時の気候は覚えてないです。」
初めて幕末に来てしまった時、私は多少なりとも慌てていたのだと思う。
その為か、あの通りに座り込んでいた時の気候は忘れてしまったけど。
最後に颯太と落ち葉をはいていた時の事。
それは鮮明に覚えてる
千月「颯太は無事だよな。風間もああ言っていたし。」
私はあの時の風間の言葉を思い出した。
ーー今はお前には手を出さん。約束しよう。しかしこいつは別だ。紛らわしいしな。始末する。ーーーーーーー
平助に紛らわしいと言った。
それは平助と颯太が似ているから言ったんだよな。
ということはやはり風間と共にいるのだろうか。
生きているか? 生きているよな。
わからないけど、今はそう信じさせてくれ。