第6章 変若水
それから約二ヶ月後。
尊皇攘夷派、伊東甲子太郎が参謀として入隊した。
永倉「あれが伊東甲子太郎。一刀流の免許皆伝らしい。」
斎藤「伊東さんは尊皇攘夷派の人間と聞いたが、よく新選組に名を連ねる気になったものだな。」
原田「長州と同じ考えってことだろ?そんな奴が俺らとうまくやっていけるのか?」
山南「伊東さんは学識も高く弁舌に優れた方ですよ。」
原田「へぇ。じゃあ山南さんとは知り合…」
原田が全てを言い切る前に山南さんはその場を離れた。
千月「山南さん、最近ますます表に出なくなりましたね。ここ最近は話もしませんでしたし。」
伊東甲子太郎は山南さんより上席の参謀として迎えられる。
理不尽だと思う。
しかし、これから山南さん自身が受ける苦しみを思えば私の理不尽に思う気持ちなど軽い方なのだろうな。