第6章 変若水
その後平助は朝食をとっている幹部達の元へ向かい、千月が目覚めたことを報告した。
斎藤「三日は眠り続けていたな。それほど体調が思わしくなかったというのに何故戦に参加したのだろうか。」
山南「桜時くんの病状はもう良くなっていたというのに短時間でしばらく寝込んでしまうほど悪化するとは。」
原田「確かに多少咳込むぐらいはあったが顔色が悪いとか熱があったとか、そういう症状はなかったな。」
土方「ま、そこら編は本人に確認を取らねぇと分からんな。ったく、あいつ絡みで面倒なことが幾つも…。」
沖田「幾つもってまだあるんですか?」
永倉「天王山で平助と瓜二つの奴にあった。」
平助「颯太か。」
土方「そういや、妙なことを言っていたな。千月は力を使うと自身を壊すとか何とか。あの時は気にも止めなかったがな。」
原田「本当は千月は病弱であんまり戦うと発作を起こす…とかか?」
斎藤「可能性はある。しかし、彼女が敵と戦っている姿を見た者は…」
土方「平助だけだな。」
その場にいた全員が平助を見る。
平助自身は俯き、少しだけ考える素振りを見せると拳を強く握って話し始めた。
平助「千月と風間はほぼ互角だったけど、千月の方が圧倒してる様にも見えた。それでも気を抜いたらまずかっただろうな。」
結局結論には辿り着かず、千月自身が自分から話すのを待とうという事で話を終えた。
そして、颯太がいたことは千月には絶対に言うなと、土方さんは厳重に口止めをした。
皆仕事に戻ろうとその場を離れた。
平助と山南さん、土方さん、近藤さんの四人を残して。