第5章 信念
風間「やはり千月の力は本物か。ますます興味深い。しかし、お前を救うとは頭が悪い。新選組には沖田といいお前といい、戦で女に助けられる様な軟弱者しかいないのか。」
平助「千月は俺を助けたんじゃねぇ。颯太を守ろうとしただけだ。俺はそいつに似てるだけ。こいつの認識だってその程度のはずだ。俺や総司の悪口は図星だから何も言わねぇけど、千月の信念まで曲げようとするなら許さねぇ。」
風間「愚弄されても仕方ない行為ではないか。お前の額が完治したところで勝ち目などあるものか。結局お前は俺に負け、千月は無駄に倒れた。それ以外に何かあるとは思えんな。」
平助「この先有利になる行動をすることだけが正しいわけじゃねぇ。今を振り返った時に後悔しない行動をする。それが千月の、俺らの信念だ!」
言い終えると同時に風間に刀を向け、その距離を一気に詰める。
風間もまた嘲笑う様に顔を歪めると刀を抜き応戦体制に入る。
天霧「そこまでです。」
刀と刀が交わる直前でその二つの刃を止めると風間に向き直る。
天霧「風間、我ら薩摩藩と新選組が戦う理由が無いことくらいわかっているでしょう。」
風間「ふん。命拾いしたな。」
風間が刀を鞘に収める事を確認すると今度は平助に向き直る。
平助は警戒し、今度は天霧に刃を向ける。
天霧「私は争う気はありません。あなたは池田屋にて対峙した方ですね。額の傷は完治しているのですか。しかしこちらの浅はかな行動でご迷惑をおかけしたこと、ここに謝罪します。」
平助「ああ。薩摩藩は敵じゃねぇ。俺も悪かったな。」
天霧「ではこれにて失礼します。」
天霧は礼をすると風間とともに消えていった。
その後すぐさま千月にかけより思うままに声をあげる
平助「千月!お前なんで黙ってた。池田屋で俺を治したこと。今だってなんで…」
しかし、私がそれに応えることはなかった。
平助「くそっ…くそっ!くそー‼︎」
平助は千月を横抱きにして土方さん達の向かう方へ走っていった。