第5章 信念
私の治癒は不完全だ。
他人を治癒する力は西洋の鬼が持つ能力。
しかし私はその血を半分しか持たない為、他人の治癒には時間がかかる。
更に、代償も伴う。
その代償は
千月「うっ…」
相手の痛みを肩代わりしてしまうこと。
そして
千月「けほ…ゲホッゲホ…ケホケホ…」
幼少期より持っていた喘息の発作。
詳しくは咳や高熱、過呼吸など。酷い時は嘔吐。
だから私は治癒をする時、あまり症状が現れぬ様に完治はせず、痛みの肩代わりと傷を塞ぐ程度しかやってこなかった。
見た目だけで言うならば完治している様にも見られる。
しかし実際はそうではない。
内側の傷はその人の自己治癒力に任せるしかない。結果、風間とまみえた際に振りかえしてしまった。
でも、完治が出来ないわけではない。
それこそ代償は酷くなるが、やろうと思えば出来るのだ。
平助が動ける様になれば…
千月「これで完治したはず…」
その瞬間私は意識を失った。