第4章 鬼
平助が目覚めたのはその直後だった。
平助「あれ。俺確かにあいつに頭を打たれて…。千月⁉︎ おい!大丈夫か⁉︎」
自分の傷が消えていること。千月が高熱で倒れていること。沖田が血を吐いて倒れていること。
自分が意識を失っている間に何が起こったのかよくわからない。
が、二人を放っておくわけにはいかない。
千月を横抱きにして階段を降りる。
平助「こっちは負傷者二人だ。誰か総司を頼む。」
池田屋にいた尊皇攘夷の過激派浪士二十数名のうち、新選組は七名を討ち取り、四名に手傷を負わせた。
数に勝る相手の懐へ突入したことを思えば、新選組は目覚ましい成果を収めたと言える。しかし、その新選組の被害も小さいものではなかった。