第4章 鬼
千月「平助!」
私はすぐさま平助に駆け寄る。
先ほどより出血が酷く、このままでは危険かもという衝動に襲われた。
この事件で平助が怪我をすることは知っていた。
しかし、平助が颯太に瓜二つという事実が私の判断を鈍らせた。
急ぎ手当をしなければ、と。
私は平助の額に手をかざし、目を瞑ると祈るように集中する。
するとみるみるうちに平助の傷は完全に塞がり、出血も止まった。
千月「よし、次は沖田を…」
その言葉を境に私には額に鈍い痛みを感じた。
千月「ゲホッゲホッゴハッ」
途端に咳が止まらなくなり、体が熱くなっていく。
外から捉える情報が全て遮断され、その場に気を失ってしまった。