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薄桜鬼 群青桜

第4章 鬼


千月「平助!沖田!」

酷い光景だった。
頭を強く打たれて血を流す平助。
血を吐きながら、立つのもやっとの沖田。

敵は二人。
大きな図体の男と金髪で慈悲のかけらも感じぬ男。

千月「平助!しっかりしろ!」

??「大丈夫です。命までは奪いません。」

確かに致命傷だか、命に問題は無いようだ。
まずは沖田の助太刀を。

千月「沖田。後は私が引き受ける。一度下がれ。」

沖田「何を言うかと思ったら手柄の横取り?悪いけどここは譲らないよ。」

??「フッ。その状態で俺を倒そうと言うか。哀れな。」

只者ではない。殺気だけを放ち、余裕の笑みを浮かべている。

千月「お前、名をなのれ。」

??「相手に名を尋ねる前にまずは自分の名を名乗るのが筋では無いのか。」

千月「新選組11番組組長、桜時千月。」

??「成る程。桜時の者か。俺は風間千景。お前らがここに踏み込む時点で俺の役目も終わっている。今夜は退散してやろう。命拾いしたな。」

千月「逃がすと思っているのか!」

私はその言葉と同時に刀を抜き、踏み込んで行く。

千月「明日の午の刻に屯所の裏門前へ来い。」

私は風間と名乗る男に小声でそう言うと、わざと振り下ろす刀をよけやすい方へ向ける。

風間は不適な笑みを見せると図体の大きな男とともに窓から飛び降りて行った。

奴は明日、必ず来る。その時に色々聞き出さなくては。
奴は元の時代へ帰る手がかりを持っているような。そんな気がしたのだ。
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