第4章 鬼
一方その頃、四国屋へ到着した私は伝令を伝え、池田屋へ向かう最中だった。
土方「伝令ご苦労だったな。到着次第、お前も参戦してくれ。」
千月「私の戦い方については説明通り。殺しはしませんので。」
土方「いいだろう。しかし他の隊士がとどめを刺す。それについては何も文句は言わせんぞ。」
土方隊が池田屋前に到着する。
斎藤「副長、会津藩です。」
土方「今頃到着か。源さんは周りを固めてくれ。原田は裏へ回れ。斎藤、中は任せたぞ。腰の重てぇ役人共は新選組副長が直々に挨拶しておく。」
斎藤「わかりました。突入する。続け!」
私は斎藤さんについてゆき、中へ入る。
斎藤「誰一人逃がすな。手加減無用。手向かう者は全て斬れ。」
血の匂いと刀が交錯する異様な雰囲気を漂わせる。
そんな中で隊士が怪我を負う姿も少なくなかった。
千月「大丈夫か。」
隊士「私は大丈夫です。しかし、二階で沖田さんが血を吐いている様です。」
労咳の症状が悪化し始めたか。
急ぎ中へ突入する。
襲いかかる長州を相手に私は右肩を狙い、貫く。
唸り声と血飛沫が私にこびり付く。
嫌な感じだ。
永倉「千月、ここは俺らが引き受ける。早く平助と総司の助太刀に行ってくれ。」
千月「承知した。」
階段を駆け上がる。無惨に斬られ倒れた敵が道を塞ぐ。
蹴り飛ばして道を開くなど汚れた行為を私は躊躇なくしてしまう。
沖田。嫌味な奴だが、ここで倒れられても困る。お前を始末するのは私だ。
平助も上にいると言っていた。大丈夫だろうか。