第27章 再来
◆◇◆
それは突然の出来事だった。
木陰から出て来たのは小さな少女が1人。
何とも言えない不思議な雰囲気を纏いながら、真っ直ぐ、ただ真っ直ぐ歩みを進めていた。
ただそれだけなのに、私は何故かその子から目が離せなかった。
「…あの、」
咄嗟に声をかけると、ゆっくり足を下ろして止まってくれる。
「その先は危険だよ。ここで少し待とう?」
女の子は真っ直ぐ私を見つめた。
戦場すら諸共せずに通り過ぎてしまいそうな強い力を持った瞳に、私は少しだけ身震いするのだけど、その感覚にどこか懐かしさを覚えた。
なんでだろう。
私はこの子を知っている気がする。
ううん。
知っている程度じゃない。
もっと、大きな
大きな
私にとって影響力の強い…誰か…
根拠はないけど、でも…
「あなたは、誰なの?」
「やっと会えたな。千月。」