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薄桜鬼 群青桜

第27章 再来


「邪魔者はこれでいなくなった。」

あくまで冷静に、静かに告げる南雲を睨みつける。

「そんな可愛い顔しないでよね。どうせ今は殺す気はないし。君も話が終わったら解放してあげるから安心しなよ。」

全身から漏れ出す久摘葉の殺気を軽々しく受け流しながら、南雲はにやりと笑っていた。

「わざわざ私だけにする為に羅刹まで使って…。殺す気がないのに何故です?それに話一つするにしては、少し手間がかかっていませんか?」

「俺からしたら、君達は協力者と言っても過言じゃないからね。」

「…どういうことですか。」

「僕と綱道叔父さんの目的だよ。僕らは羅刹を使って雪村家を再興したいんだ。今となっては僕たち以外の羅刹は邪魔者。さっさと死んで欲しいんだよね。新選組の羅刹だって、ね。」

沖田を羅刹にする為そそのかした張本人であるはずの彼が、嘲笑うようにそう吐き捨てた。
人の命を何だと思っているのか、知れたものではない発言に、久摘葉は怒りを抑えられなかった。

その反応を予想していたかのように制しながら、南雲は話を続ける。

「君達は山南を追っているんだろ?殺すんだろ?現在新選組の羅刹の全てを管理している奴を。理由はどうあれ俺たちの利害は一致してるんだよ。」

「それをどうして私だけに話すのですか」

久摘葉のその言葉を聞いた瞬間、南雲の表情はずっと欲しかったおもちゃを貰った子供のように笑った。

その表情で久摘葉にあるものを差し出した。
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