第27章 再来
「大丈夫か?」
藤堂が手を差し伸べるその先には久摘葉。
「ありがとう。うん。まだ大丈夫。」
久摘葉は差し出された手をしっかり握る。
「こっちだ。少し急ぐぞ。」
そしてその様子を横目に先導する。
透明な青空を幾重にも重ねた深い、深い群青の夜。
一行が向かう先は仙台城。
全てを終わらせる為に3人が決断した最後の砦。
道を外れた仲間を、恩人を、大切な人を救う為。
各々が掲げる志を胸に。
狂った時計の針とて回る。たとえ遅くとも、早くとも、必ず終わりに向けて進む。決着の時は刻一刻と迫り来る。