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薄桜鬼 群青桜

第26章 連鎖


一方土方は、颯太、そして久摘葉に提案を持ちかける。

「お前らはこれ以上俺らに付き合う必要はねえ。隊から離れろ。」

「いや、俺はまだやる事残ってるし。久摘葉は今目を離せる状態じゃねえ。」

「お前がよくても久摘葉はどうする。今の新選組は戦力もギリギリだ。これ以上久摘葉を庇うのは厳しい。
目が離せねえってんなら二人で抜ける他ないだろ。」

残念だがこれもまた真実。命あっての目的なのだから、まずはその身をどう守るか、その心配がどうしても必要。

わかっていても、颯太はここから離れる事を拒んだ。

「どうしても無理だ。これは久摘葉が久摘葉として生きる為に必要な事だ。どうしても譲れねえ。」

それ以上は口を噤んだ。互いに異なる意見を言い続けても、どちらかが折れるまで終わらない。

その時、当事者である久摘葉はようやく言葉を紡ぎ出す。

「…私も残りたいです。確かに私は争いが嫌いです。でも、どうしても千姫を救いたいの。ごめんねって、ありがとうって言いたいの…。」

辿々しい言葉だった。涙で一語一語が歪んでいた。
それでも、久摘葉の全ての思いが込められた重い言葉。

きっと土方もこの答えを予想していた。しかし望まない答えだったはず。

弱さの内側からひしひしと伝わる、誰よりも強い千月としての彼女の言葉。
目の前にしたら、真っ向から否定だけをする事など出来ない。不思議だが、どこか納得出来るような事。
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