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薄桜鬼 群青桜

第26章 連鎖


そして訪れた別れの瞬間も、久摘葉は口を閉ざしていたままであった。

そんな彼女の様子を気にしつつも、藤堂は斎藤の元へと歩み寄る。

「平助、お前はこの後どうするつもりだ。」

藤堂はその質問に間髪入れずに答える。

「オレは北に行くよ。今の土方さんは危なっかしいからな。それに、羅刹隊の事ちゃんとケリ付けたいし。」

「そうか。」

藤堂の目にも迷いなど感じられなかった。
たとえ何が待ち受けていようと、絶対にその信念が曲がる事などあり得ない。そう思わせる姿。

共に最年少幹部として組をまとめ、一時期は御陵衛士でも行動を共にした二人。

互いに思う所はあるだろう。しかし必要以上に言葉を交わす事をしなかった。

それはきっと、先ほどの土方と斎藤のやりとりと同じ理由。
信頼というただ一言で、全ての辻褄が噛み合う。
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