第25章 変動
その後話は甲府遠征の事に
新型兵器に為す術なく、劣勢に陥りながらも前線で戦う事を支持した近藤。
それでも、次々倒れる隊士を前に、幹部達の必死の説得もあって、近藤から撤退の二文字を引き出した。
被害は絶大で多くの隊士を亡くした。
帰還したばかりの時は、負け戦が後を引き、いつもの覇気が全く感じられない抜け殻の様な存在となっていた近藤。
それでも今は
「与えられた格式と名前に恥じない人数、そして装備を集めて参戦すべきだ」
それを成し得るため、隊士を集めたり、幕府のお偉方と今後についての相談をしたりと、連日屯所を留守にして奮闘していた。
他の隊士への申し訳なさも感じている為なのか、連日の隊務の励み方は眼を見張るものがあった。
それでも、付いていけない者は確実に存在していたのだった。