第25章 変動
味方のいない場所で羅刹が押し寄せる。
逃げても逃げても、そこには絶望しかない。
新選組にいても足手まといからの脱却は絶対に有り得ない。
皆久摘葉には手を焼いている。
その部隊の筆頭である山南の声が、さらに久摘葉を追い詰める。
四方を囲まれた中で、声にならない声を漏らし、瞳には大粒の涙が溢れず溜まる。
そこに現れた救世主は久摘葉の代わりに羅刹化してしまった千姫。
そして久摘葉は、羅刹化した千姫に刃を向けられた。
ついにこぼれた吐息は悲鳴に。涙は輪郭をなぞった。
そして久摘葉は_____