第23章 敗走
大阪城に着くと、そこには既に新選組の皆が集結していた。
しかし喜ぶべき事など何処にもなかった。
井上は、援軍の要請に向かっていたところを、淀藩の裏切りにより襲われ戦死。
山崎もまた、伝令で駆け回っていた最中に敵によって倒れたという。
戦況を不利と見た各藩が中立を名乗り増援を断った事。
さらには将軍の撤退。
よって新選組もまた、江戸への引き揚げを余儀なくされる。
大阪城で治療を受けていた近藤、沖田も乗せて江戸へ向けて立った。
しかし江戸へ向かう最中にも、憂うべき事は絶たなかった。
重傷を負った山崎が船の中で心臓の動きを止めた。
皆に看取られながら水葬された。
新選組の敗走は、まだ序章に過ぎなかった。