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薄桜鬼 群青桜

第2章 浅葱色


永倉「おーい、遠慮せずちづきも飲めよ〜折角島原にいるんだからよ〜」

隊士として迎えられた今日、島原で歓迎会が行われていた。

藤堂「そうだぞ〜。美味い酒は気分も良くなるもんだ。」

千月「私は飲めません。未成年なので。」

藤堂「みせいねん?何だそれ。」

千月「元の時代では20歳を越えないと飲酒は犯罪なので。私は飲めません。」

藤堂「へーそんなんで処罰されんのか〜ってあれ。そういえば千月って歳は…」

千月「16だけど…何です?」

沖田「ふぅん。でもあの感は凄いね。僕の攻撃が一度も当たらなかったんだから。」

千月「一応剣術は7歳からやってますし、武術は3歳から。相手の殺気ぐらいは見ずとも分かります。」

土方「通りでこの体格か。」

まだ言うか。

原田「あれ。そういや千月はどうして袴なんか着てたんだ?男装なんてよほどのことがなきゃしねぇだろ普通。」

千月「これは男装ではない。はたから見れば袴同然だが私の家独特の巫女服だ。」

藤堂「男装じゃないのか。女が袴着る様な時代なのかよ変だなー。あれ。そういえばお前の家柄って神の密命を…って言ってたよな?一体何してんだ?」

千月「そこまで教える義理はない。」

藤堂「別に教えなくないならいいけどさ。」

原田「それより千月よぉ、全然食ってねぇじゃねぇか。折角島原にいるんだからよ、美味い飯たらふく食っとけって。」

千月「いらん。そもそも貴方方はなぜ私に馴れ馴れしく接するのだ。あって間もないというのに。私は確かに新選組に入ったが、貴方方と仲間になりたくて入った訳ではない。」

藤堂「知らねぇから知ろうとするんだろ?別におかしい事だとは思わないけどなー。」

斎藤「その辺にしておけ。桜時も疲れているのであろうしな。確かに仲間同士の連携を強化するという点だけで言うならば交流も必要だろう。しかし、無理に繋ごうとすればすぐにちぎれてしまう様な脆い関係にもなりかねん。」

千月「私は唯一の目的を果たす為だけに動く。新選組への入隊はその足掛かりに過ぎん。私が貴方方と馴れ合う理由などありません。」

そう。私が心を許す相手はただ1人。
母だけ。
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