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薄桜鬼 群青桜

第2章 浅葱色


その後屯所に戻った私は、山南さん、土方さん、そして近藤さんからあの銀髪の男の話を聞いていた。

山南「貴方は変若水という薬をご存知ですか?」

その言葉で事の全容が理解できた。

千月「腕力と自己治癒力を飛躍的に向上させる薬ですね。」

近藤「やはり未来にはこの薬があるんだね。」

千月「未来では変若水の使用は禁じられています。あの薬はこれから数十年をかけて使われる腕力と自己治癒力を一度に使うというもの。そのため、薬を投与されたものは未来を失う。」

土方「なんだと⁉︎ ただ向上させるだけじゃねえのか。」

千月「私の元いた時代での変若水の大きな特徴はその3点。この時代の変若水は他にも効果が?」

山南「大まかなことは同じですが、現状ですと日差しに弱いこと、力が強大になる分理性を失い、ただ血を求めて喘ぐ化け物といってよいでしょう。」

それがあの隊士達…か。

千月「なぜこの様な研究を?」

土方「幕命だ。その為、この研究は危険だと知っても放棄することは許されねえ。」

千月「いつの時代も命をいとも簡単に捨てていく。」

そう思おうが私も人の命を奪う側にいる。

千月「私にとって羅刹の存在は未来へ帰る重要な手がかりとなるでしょう。羅刹に斬られたことでこちらに来てしまったのだから。」

土方「だろうな。だから俺らもお前にこの話をすべきだと判断した。」

千月「私は未来の情報集めを最優先にします。邪魔立てするならば私は貴方方とて手加減しませんので。」

近藤「分かった。君のしたい様にすればいい。ただ、我々とて譲れぬ精神がある。もし相間見えることとなっても容赦しないがそれでもいいね?」

千月「無論、そのつもりです。」

私はそっと瞼を閉じる。

近藤「話は以上だ。遅くまですまなかったね。昨日今日も慌ただしかったからね、明日はゆっくり休むといい。」

千月「お心づかい感謝致します。」
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