第2章 浅葱色
「「「「「「「「女だと⁉︎」」」」」」」」
その場にいた全員がその言葉を発した。
沖田「うん。胸あったから。」
沖田。殺すぞ。
土方「その体格、あの剣技で女なのか…。」
藤堂「お前が未来から来たって話よりも驚いたぞ!」
私はそんなに男らしい…のか。
そんな男共に見兼ね、私は白衣(びゃくえ)を着崩し、谷間が少しだけ見える様にして証明した。
千月「正真正銘私は女です。」
近藤は絶対に見ないとばかりに目を背け、山南は眼鏡を持ち上げ咳払い、土方と斎藤は小さく「すまない。」と一言、沖田はお腹抱えて笑っているし、藤堂は赤面、原田と永倉はいやらしい目で見つめている。
私は白衣(びゃくえ)を整えるとただため息を付く他なかった。
奴らが私のことを『彼』などと呼んでいるあたり、男だと勘違いしているとは思っていたがここまでとは…
土方「さっきはその、悪かったな。」
千月「それはもうどうでもいいので。結論だけ教えてください。」
土方「お前の未来から来たって話は信じよう。別に、嘘だという証拠もないしな。それと、お前を新選組の一員として向かい入れたい。」
その口から発せられた事項は意外そのものだった。
千月「お断りします。そもそも私は女ですし。入る資格がありません。」
土方「いいのか?俺達は幕府の命を受けて多くの場所へ遠征するんだぞ。お前は元の時代へ帰るための情報、連れの行方を追うことになるのだろう。しかもお前は戦力になる。お前にとっても俺らにとっても悪くはねぇと思うんだがどうする。」
それもそうだが…
藤堂「俺からも頼むよ千月。それにほら、俺と颯太って奴そっくりなんだろ?なんか手がかりになるかもしんねぇし。」
千月「しかし…。」
土方「ならもっと言ってやる。お前が相手をした銀髪の男だけどな。あいつらの存在は絶対に知られてはならない機密事項だ。それをお前は知っちまった。この隊に入ることはお前の監視をしやすくするためでもある。この意味わかるよなあ。」
千月「拒否すれば斬る、か。なら仕方ない。不本意ではあるが隊に入らざるを得ないということか。」
土方「交渉成立だな。」
その日の夜、新隊士として歓迎された。
そして、銀髪の男の正体について説明を受けることとなった。