• テキストサイズ

薄桜鬼 群青桜

第2章 浅葱色


「はじめ!」


沖田「じゃ、遠慮なく…」

私の後ろに回り込んでいるな。素早い動き。しかし足音は最小限に抑えられている。

そして最初の一撃。背中に刀が向けられているのがわかり、前方に移動し沖田さんと向き合う体制になる。

沖田「口だけじゃないみたいだね!」

次は正面から刀を振り下ろす。
様々な角度から振り下ろされる太刀筋、この人の腕は一朝一夕で習得出来るほどのものでは無い。
でも、相手が悪い。
私はその全てをよけ斬り腹部を一突き。
ヴッという小さなうめき声をあげ後方へ下がって行った

土方「総司の刀をいとも簡単に避けるとはな。目は使い物にならねぇってのに。」

斎藤「刀の避け方もそうだがあの一突き。沖田の牽制が続いている中で隙を見つけるとは…。」

沖田さんは面白いと言わんばかりに鼻で笑い、再び前方から狙いを定めてきた。
様々な角度からの攻撃。沖田さんの攻撃の癖に慣れてきたと思ったその時、刀を右手に持ち替え左手で私の右胸部を強く押した。

千月「ひっ」

一気に力が抜けて大きく後方へ下がる。
沖田さんもまた異変に気付いたのか、両手から力が抜けた様だった。

永倉「な、なんだ二人とも。急にどうした…」

今、胸を触られて…
私は恥ずかしさと殺気で即座に目隠しを外すと鞘から真剣を抜く。

千月「よくもやってくれたな。この罪は如何様に…」

山南「桜時くん!最初の約束と違いますよ!貴方は真剣を使ってはなりません!」

千月「黙れ!手合わせなど中止だ!此奴は斬らぬと気が済まぬ!」

大きく振りかぶって刀を振るおうとする。
その瞬間沖田さんは大きく隙を見せてしまった私に向け、剣先を私の首元へと持っていった。

沖田「勝負あり、だね。」

その言葉で刀を収め私はただその場に落胆する他なかった。
/ 322ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp