第14章 覚悟
土方「芹沢さんのやり口は横暴でな、新選組の信頼や印象を落とすばかりだった。野放しにすりゃあ今後にも関わりかねん。それは火を見るよりも明らかだった。
会津藩からも芹沢さんの処置の密命を受け、一部の幹部にだけ話を通して芹沢さんを粛清した。」
私の知る史実と同じ。
しかし私が気になるのは変若水を使ったかどうか。
粛清の最中変若水を飲んだ、という可能性もある。
千月「粛清時の事も詳細に教えていただけますか?」
土方「まず俺らは幹部同士の親睦を深めるという名目上で芹沢さんを島原に呼び出した。
酒を入れて酔わせ、屯所帰宅後寝付いた頃を見計らって暗殺するっつう汚ねえ計画だった。
計画に参加したのは俺、近藤さん、山南さん、総司、斎藤、源さん、原田。
芹沢さんが帰ると同時に俺たちも屯所に戻った。近藤さんと斎藤は事情を知らない隊士達を島原で足止めしていた。
実行役の俺、山南さん、総司は芹沢さんが寝入る時間まで待ち部屋に突入したが、芹沢さんは起きていた。傍らには心臓を刺された女が倒れていた。」
恐らく殺されていたのはお梅という芹沢鴨氏の愛妾だろう。
しかし変若水に至る以前の経緯も私の知るものと違う。
違和感を感じながらも続きを聞いた。
土方「そっからは酷え内部抗争だったさ。抵抗する芹沢さんを3人がかりで仕留めにかかったんだがな、抵抗の末に芹沢さんが懐から小瓶を取り出したんだよ。」
その瞬間はっきりした。
認めたくなかった事実、今となっては向き合わなければならない事実が
千月「…変若水」