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薄桜鬼 群青桜

第2章 浅葱色


土方「終わりか?」

コクンと頷く。

千月「正直昨晩のことは私にもよくわからないのです。死んだはずなのになぜかここにいる。そして私なりに考え導き出した結果、私は過去に来てしまったのではないかと。」

土方「未来から…だと?」

土方さんの言葉に再び頷く。

千月「確認のために伺います。今の年号をお教えください。」

山南「文久三年です。」

千月「やはりそうですか。私は平成という年号の時代から来ました。平成は文久の約150年後の時代です。」

沖田「君、僕より冗談キツイんじゃない?それとも、未来には時代を行き来する画期的な道具でもあるの?」

私はその質問に首を横に振る。

千月「だから私にも何が起こったのか理解し得ないのです。私とてこんなこと認めたくはありません。」

山南「確かに時代を行き来したと仮定すれば貴方の標的や隊士ではない銀髪の男がこちらに存在していない理由も説明出来ますね。」

藤堂「じ、じゃあさ、その颯太って奴は何処にいるんだよ。」

千月「っ…」

途端に険しくなる表情。

原田「平助、察してやれよ。その颯太って奴がいない理由。お前に無事で良かったって言ってただろ?何と無く察しは付くだろうさ。」

千月「颯太がいない理由として考えられるのは二つ。一つは同じく時を超えてこちらにいるが、違う場所に飛ばされた。もう一つは…」

永倉「未来…いや、君らの元の時代に置き去り。だが、もしそうだとすれば…」

死んでいる…でしょうね。

唇を強く噛み締め、薄っすらと赤く濁る。

颯太…無事でいて…。

土方「ま、その颯太って奴のことはわかったが、一つ気になることがある。その最初に襲ってきた銀髪の男だ。」

私がこちらに来ることになった原因とも言える男…か。

土方「確認しておく。間違いなく心臓を貫いたんだな。」

千月「間違いない。しかし標的を倒した後再び現れた際には完全に癒えていた。」

土方「わかった。お前の処分について話し合う。この場にいても邪魔だ。部屋に戻って待機。いいな。」

その言葉を聞いた私は少しの不安を抱えたままお辞儀をして部屋を後にした。
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