第14章 覚悟
平助「それより、侵入者の存在を明かさなかった事の方がよっぽど驚いたぞ。」
千月「あの時の颯太には敵対心が無かった。」
いつの間にか重い話も終わり、いつもの調子で会話をしていた。
平助「なぁ、ずっと気になってたんだけどさ。どうしてお前はそんなに颯太の事守りたがるんだ?普通逆だと思うんだけど。」
千月「逆?」
平助「ほら、普通はさ、男が女を守るだろ?でもお前は女なのに何かを守ろうとするからさ。なんでなんだろうってな。」
あ、そういえば話してなかったな。
私が守る事に執着する理由。
千月「ある人からの最初で最後の命令だった。その人は当時私が唯一信じる事の出来た人物だった。」
平助「へー。もしよかったら、その話聞かせてくれよ。」
少し酔いが回ってきたのだろうか。
いつもなら聞きたいとは思わないような話に食い付いてくる。
そんな平助に若干の動揺を覚えながらも、当時の様子を思い出しながら話していた。
千月「母親なんだ。唯一私を私と見てくれた。」
____________「千月、何があっても颯太を守りなさい。私の大切な息子を。守りなさい。」