第14章 覚悟
千月「御陵衛士…離隊した伊東は新選組から同志を引き抜いて新たな隊を結成する。その隊はいずれ近藤さんの暗殺を目論む。」
平助「おま…なに…言って…」
千月「その計画にいち早く気づいた新選組は阻止の為に油小路にて待ち伏せて伊東を暗殺した。」
平助「………。」
千月「その伊東の死体を餌に引き取りに来た衛士の連中を粛清した。粛清されたのは3人。服部武雄、毛内有之助そして藤堂平助。」
平助は黙ってここまで聞いていた。
何度も驚いていた。
近藤さん暗殺を目論む事も、伊東を暗殺した事も、その汚い粛清の方法も。
でも自分が死ぬと告げられた時は動じていなかった。
千月「颯太の言う事が本当なら、この先も私の知っている歴史通りに進むとは限らない。でも、確実に生き残れるかは分からない。
私は死んでほしくない。」
平助「正直何言ってるかわからなかったよ。近藤さんを…とか、粛清…とか。今を見てると全然想像出来ないんだ。」
当然の答えだった。
言ってしまえばこれは内乱だ。今志同じくして共に大義を尽くす仲間と争う事になると聞かされて容易に想像出来る方がおかしいのだ。
私は怖かった。
私を仲間として扱ってくれた
私を信じてくれた
私を私と見てくれた
そんな信頼に足る人物がいなくなってしまうことが。