第14章 覚悟
御陵衛士。
慶応3年3月に思想の違いから新選組を離隊した伊東甲子太郎を筆頭に組織された。
新選組の中から同志を引き抜いて結成。
私の認識などその程度だった。
しかしここに来て伊東という人物を知って。
そんな馬の良い話ではない事を知る事となった。
伊東「新選組に女の隊士はどうかと思うけれど、私がこれから結成する隊は貴女次第で女性隊士も迎え入れるつもりでいますの。」
いずれ御陵衛士は新選組局長暗殺を企てる。
そして油小路の変が起こり、平助は死ぬ。
伊東「私は別に貴女が女である事を口実に引き抜こうとは思っていませんわ。貴女が男装をしてまで新選組の命に従う意味を説いているの。」
しかしそれは私の元いた世界での歴史だ。
もし、颯太の言っていたことが本当だとすれば、私の知る歴史通りに事が進むとは限らない。
伊東「別に新選組に敵対する勢力を作ろうという訳ではないわ。悪い話ではないと思うのですけど。」
伊東の言葉と私の迷いが頭の中を交互に飛び交う。
千月「今この場での決断は出来かねます。確かに私は性を偽ってまで新選組に尽くしていますがそれは引き取ってくれた恩を返す為でもある。簡単には決断出来ません。」
伊東「そう。でも、お返事は早めに頼むわね。もう年も明けるのだからそろそろ動きたいの。」
それだけを言い残して伊東は去っていった。
私と平助を残して。