第14章 覚悟
伊東「まあまあ、藤堂君に桜時さんもよく来てくれたわね。」
私は平助とともに伊東から接待を受けていた。
大方想像はつく。御陵衛士への勧誘だろう。
伊東「ささ、お一つどうぞ。」
桜時「私は飲めませんのでお構いなく。」
伊東「あら、そうなの。貴方随分と私を敵対しているみたいだけど、私の気のせいかしら。」
その質問には答えなかった。答える必要がないと思ったからだ。
確かに私は伊東を毛嫌いしている。態度を見ればあからさまだと思うけどな。
そんな裏切りかねない私を勧誘してどうしようというのだろうか。
伊東「この席を設けたのは他でもありませんわ。貴方は今の新選組をどう思っているのかしら。」
桜時「前置きはいい。さっさと本題に入っていただきたいのですけど。」
平助「なあ千月、ちょっと落ち着けよ。」
伊東「貴方は違うといったけど、やっぱり女性にしか見えません。確かに腕はいいですけど。貴方には新選組にいる資格がありませんわ。」
桜時「だったらなんだというのですか。私にどうしろと。」
伊東「私、近々隊を結成するつもりでいますの。そちらの藤堂君は既に新選組を離れる事が決まっていますわ。貴女にも是非と思ってお誘いしたのだけど。」