第13章 隠密
しかし、君菊さんの話は本当だったのだな。
鬼であるが故に人間を恨み、嘘の情報を教えた。という可能性も考えていたがそうではなかったようで安心した。
これからどう動くか…
浪士「おい、待たぬか。」
千月「え…。」
先ほど相手をしていた浪士が私の手を強引に掴んで引く。
いや、それはさほど問題ではない。
千月「離してください。」
反射的にその手を振り払ってしまったのだ。
パシッという手を叩く音で我に返る。
余計怪しまれる行動をとってしまったかもしれない。
早く。
こいつから離れた方がいい。
私の中にある選択肢などこの1つ以外浮かんでいなかった。
正常な判断をする前に私は早足で逃げ出すが、
浪士「お、これはもしや、嫌よ嫌よも好きのうちというやつか?デシシシシ…」
面白がって追いかけてくる浪士。
そして運悪く、進んだ道の先は
千月「行き止まり…」
浪士「どうしたぁ?もう終わりか?」
やだ。気持ち悪い…!