第12章 目的
平助「にしてもお前、その姿は…」
千月「…どこかおかしいのか?」
頬を赤らめた平助が私の方をまじまじと見つめながら言う。
平助「いや、むしろすげー可愛いし。」
あまりにも唐突にそんなことを言われたものだから少しこそばゆい。
平助「だからお前がそのカッコで他のタチの悪い客に酌したり、媚売ったり触られたり…」
平助は俯いてしまい、発する言葉にはどんどん熱がこもっていく。
心配してくれるのは嬉しいのだが、
千月「ただこれは内偵という任務であっ
平助「関係ねぇよ!やっぱり反対するべきだった!」
は…?
平助「俺今から屯所戻って土方さん達に言ってくる!お前はここから出るなよ!絶対だぞ!」
千月「ちょっと待てへいす…け」
言い終える前に部屋を飛び出していった。
そのままため息を一つ。
動くな。とは言われたが、それでどうやって内偵をすればいいのだろうか。
そして開けっ放しの襖を閉めようと手をかけた時、そこには私のよく知る姿があった。
風間…?