第12章 目的
一つ小さな個室を用意していただいた。
そこで集めた情報をまとめたり、次のお座敷の準備をしたり。
私が重要な役割を果たしていること。
下手な事をしては新選組の…いや、会津の大きな信用失墜にもなる。
気を引き締めてやらねば。
ふと部屋の片隅に置かれた鏡に目を向けると、いつもとは違う自分の姿。
芸妓に見えるのだろうか。
綺麗と思われるのだろうか。
何だか思考までいつもの自分ではないような気もするが、そんな事はどうでもいい。
私はただ、任務を全うするだけ。
そんな決意と同時に襖が開いた。
そこにいたのは気まずい相手。
平助だった。