第2章 浅葱色
??「桜時くん、起きているかい?ちょっと失礼するよ。」
千月「どうぞ。」
朝私の元を訪れた男は井上と名乗り、皆が集まっているから昨日の話を聞かせて欲しいと言う。
それを承諾し、井上さんの後を着いていった。
井上「失礼するよ。」
千月「失礼致します。」
沖田「桜時くんおはよ。昨日はよく眠れたのかな?」
千月「いえ、全く。」
沖田「ふーん。頬に畳のあとが着いてるけどなー」
千月「冗談はやめていただきたい。私はそんな事のためにここにいるわけではない。」
沖田「ふーん。ま、いいけど。そういえばちゃんと自己紹介してなかったね。僕は沖田総司。後、昨日一緒にいたこの人は…」
斎藤「斎藤一だ。」
返事の代わりにお辞儀をする。
沖田総司。新選組一番組組長。のちに労咳でその一生を終える人物か。
斎藤一は確か刀が右刺しで居合の達人。
沖田「へー。礼儀はあるみたいだね。平助とは大違いだ。」
平助…おそらく藤堂平助のことだろう。
藤堂「なんだよ総司!朝っぱらから冗談飛ばしてるお前には言われたかねーよ!…ってお前…どうした?」
平助と呼ばれた人を見る。
その姿は颯太に他ならなかった。
颯太がここに来ている。しかも新選組の隊士として。
千月「颯太、颯太なのか。無事で良かった。しかし、なぜここに…」
藤堂「そうた?誰の事だよ。俺は藤堂平助。人違いじゃねぇの?」
藤堂さんはそう否定する。
が、しかし、"似ている" ではなく、"同じ" なのだ。これが別人だとは到底思えない。
??「颯太、お前いつの間に改名したんだよ。教えてくれたって良かったじゃないか。」
??「そうだぞ平助…じゃなかったな颯太。」
髪の長い男と体格の大きな男は共に藤堂さんをからかう。
藤堂「左之さんも新八っあんもやめてくれよ。人違いだよ人違い。」
千月「そう…か。すまなかった。」
まさかこんな人に会うとは思っていなかった。
藤堂平助。どうしてここまで瓜二つなのだろうか。