第10章 二人
颯太「根拠はそれだけじゃねえよ。
それだけが根拠なら俺だって過去に来たと言われた方が納得できる。
だけどな、もしここが俺たちの知る過去だとしたら、変若水はまだ存在してはいけないものなんだよ。」
未だに状況を把握仕切れていない私に颯太はそのまま話を続けていた。
颯太「歴史書には変若水はこの先、少なくとも新選組がなくなってから存在が確認された。」
千月「私達が来たから、歴史が変わって変若水が早く持ち込まれた。という可能性はないのか。」
颯太「俺もそう思った。だから風間さんには確認してみたよ。残念だけど風間さんには変若水の存在が確認された正確な時はわからないらしい。」
千月「そう…なのか。」
ただの私の知る過去ではない。
それはきっと今後の心境に大きな変化をもたらす事実だろう。
それがとても怖く感じた。
颯太「お前には頼みたいことがある。
変若水の研究、改良は雪村綱道という人物が行っていたらしいが現在行方不明だと聞いた。お前も綱道氏の行方を捜してほしい。
後もう一つ。新選組で変若水の実験を行っていたらしいが、その始まった詳しい時期を聞き出して次会った時でいいから教えてくれ。」
変若水の存在がどんどん私の首を絞めてくる。
それが何より恐怖でたまらなかった。