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薄桜鬼 群青桜

第10章 二人


驚愕の事実が颯太の口から告げられた。
再び沈黙が続いて、辺りを包んでいた風がより一層激しさを増した。

千月「異世界ってどういうことだ。史実通り事件も戦も起こっている。それでも過去ではないのか?」

颯太「ああ。俺たちの知る幕末と限りなく近い。でも全く違う世界なんだよここは。」

千月「悪いが信じられない。過去に来たと仮定すればすべての理由がはっきりする。異世界だと言われても実感がない。」

それにここが過去であろうと異世界であろうと帰ろうという目的になんの変わりもない。

颯太「お前には黙ってたけどな、夜真木家は桜時家の補佐と同時に代々変若水の研究を任されてきた家柄なんだよ。だから本家には変若水に関する歴史書が揃ってるんだ。」

千月「だから何なんだ。」

颯太「歴史書の内容とここの変若水の歴史が矛盾してるんだよ。
ここの変若水は西洋から渡来した。西洋鬼の血に改良を加えたものだ。
でも俺たちの世界での変若水は西洋から渡ってきた鬼から血を採取して日本で作られた。
お前も元の世界とここの変若水の色味が違う事を知っているだろ?」

千月「時代と共に変若水にも改良を加えた結果だろう。」

それだけが根拠なら別に聞くほどの話でもなかった。
しかしよく考えてみれば、もしここが異世界であるなら、私がここですべき事も変わってくるのだろうか。
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