第10章 二人
沖田「本当は君、僕の生い立ちなんて知ってたんじゃないの?」
千月「いや、知らなかった。だから知ることが出来て良かったと思っている。」
私はここにいる意味を見失いかけていた。
なぜここまで新選組に尽くすのか。
なぜ颯太を新選組のまま守りたいと思ったのか。
千月「沖田の話を聞いて、自分がここにいる意味を再確認できた気がする。
私はもう新選組でないと、この時代で生きてはいけない。そんな気がするんだ。」
空を見上げながら私はそんな事を独り言のように呟いた。
近藤さんが沖田に放った言葉。どんな事にも意味がある、か。それは私にも当てはまるのだろうか。
私が時を遡って来たことにも意味があるのだろうか。
今はまだわからないことだらけだ。
でも、いずれはわかる時がくる。
その日まで私は新選組であればいいと思う。