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薄桜鬼 群青桜

第10章 二人


千月「沖田はなぜ、新選組に全てを捧げるんだ?」

今更のようにそんな事を聞く私。

自分の命よりも大切だと思って行動を起こすことはそうできるものではないと思う。

沖田「僕はね、武家の生まれだけどすぐに両親は死んで、姉上に育てられてたんだ。
でもやっぱ生活が苦しかったみたいでさ、近藤さんの道場に連れてこられた。

内弟子って名目で入ったけど、実際は使用人みたいな扱いでさ、兄弟子達に折檻されたりなんて事もあった。

そんな弱さを早く断ち切りたい一心で僕は兄弟子達が打ちのめしてくる度に必死に食らいついて、ある日の試合形式の稽古で勝ったんだ。
その後近藤さんに言われたんだ。」

ーーーーー

「よくやった。お前は本当によくやった。」

「近藤さん、道着、血で汚れますよ。」

「構うものか。こんな小さな体でよく頑張った。」

ーーーーー

沖田「僕はね、近所の人にも兄弟子達にも可哀想な奴だって言われてたんだ。でも近藤さんは言わなかった。早くに親を亡くしたのも姉上と別れたのも意味があるって言ってくれてたんだ。

その意味はきっと近藤さんの為に強くなる事だ。だから僕は近藤さんの掲げる誠の精神を貫く為にここにいる。」
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