第9章 吸血鬼
平助「千月ー!お前診断結果はどうだったんだ?」
松本先生との話を終え、外に出た私は平助に遭遇し、中庭で話をした。
平助「そっか。お前残ってくれんだな。」
千月「ああ。私は多分新選組に居続けなければ未来へ帰れないと思うんだ。きっと颯太の元へ行けば私は守られ続ける。それは私ではない。」
現代にいた時の私は幼少期から殺人鬼としてしか見られず、育てられず。
愛することを知らない。愛されることを知らない。
心を許したのは母と颯太のみ。
でも今は違う。
千月「私はみんなに感謝してるんだ。未来から来たなんて馬鹿げた話を信じ、私が人でないと知っても尚、共に戦わせてくれる。私はそれが嬉しいんだ。だからここにいたいと…
平助「千月?どうしたんだよ急に黙り込んで。」
それは突如私に猛威を振るってきた。
千月「くっ…ぅ………ぅはぁ…離れろ。」
平助「なんだ?どうしたんだよ。」
いいから頼む。
千月「離れろ!」
今ここにいるのは私でありながら私ではない。
両目が赤黒く染まり、口元には鋭い二本の牙。
現代ではこう呼ばれるおとぎ話の存在。
"吸血鬼"