第9章 吸血鬼
健康診断が行われているという部屋へ向かうと既に診断は始まっており、上半身裸の隊士達が列を作っていた。
その列の先頭、坊主頭の男性が松本良順先生だろう。
松本「ん?君も隊士だろう。診てやるから上を脱いで列に並ぶといい。」
千月「いえ、私は、その…。」
しまった。
話を聞くだけなら診察が終わってからでも良かったというのに私は何をやっているのだ。
平助「千月⁉︎ おまっ…なんで来た⁉︎」
千月「松本先生に聞きたいことがあったんだ。診断を受けに来たわけではない。」
隊士「何言ってるんですか。桜時君、最近体調が優れないでしょう?診てもらったほうがいいですよ。」
隊士「そうだそうだ。桜時、遠慮すんな。」
事情を知らない隊士達が私の背中をぐいぐいと押して並ばせる。
丁度前に並んでいたのが平助だった為に後ろを振り向きこちらに話しかけてくれた。
平助「千月、お前どうすんだよ。診察つってもさすがに脱げないだろ。」
千月「まあ、大丈夫だ。なんとかする。」
平助「何とかってどうすんだよ。」
千月「松本先生には事情を話すつもりでいた。正直に言うよ。
それに脱がなくても多少の診察は出来るだろうし、せっかくだから診てもらうよ。」